地方に移住して田舎暮らしをしている人におすすめの、新しい仕事とその資格を紹介します。
その仕事(資格)とは、ズバリ「空き家管理(空き家管理士)」です。
地方で増え続ける「空き家」。管理することなく放置されている空き家は、持ち主にとって負担であることは勿論、地域にとっても安全上そして景観上も悪いので社会問題になっています。
そんな空き家問題を解決し、移住者向けにリノベーションして販売する空き家再生ビジネス(不動産投資)については以前投稿しましたが、そのビジネスの一環ともなりえる「空き家管理(空き家管理士)」という仕事(資格)について解説します。
空き家管理士とは?

「空き家管理」とは、文字通り空き家を管理する仕事。具体的には、空き家となっている物件の、通風や換気、清掃、雨漏りのチェック、草刈りや木の剪定など、家のメンテナンス作業を請け負い、その内容に応じて報酬を貰います。
家は何もしないまま放置しておくと、住んでいる時よりも急速に劣化していきます。劣化により損傷が進んだ空き家は「特定空き家」として改善が勧告されます。改善されない場合は、現在の固定資産税の6倍、都市計画税の3倍の税金を毎年支払わなければなりません。その命令にも従わない場合には50万円以下の罰金と自治体による強制執行で建物が解体され、更にその解体費用が空き家の家主へ請求されます。
2015年制定の空家対策特別措置法により、空き家の取り締まりが強化されたので、今、地方で空き家を所有し放置している大勢の人たちは戦々恐々、困っています。
その救世主となる仕事が「空き家管理(空き家管理士)」です。
空き家管理の仕事内容と仕事を請け負う方法
実は、空き家管理の仕事に資格は不要です。
家のメンテナンスですから、特別な専門的知識は不要。大工仕事や畑仕事、伐採など山仕事が得意であれば請け負える範囲も広がるので重宝されます。
が、しかし、得意だと言われても田舎の人が見知らぬ人に家の管理を任せるとは思えないので、空き家管理のプロとして『空き家管理士』を名乗れる資格の取得をお勧めします。
空き家管理士の資格取得法
資格種類:
空き家管理士1級 プロとして活動していきたい方向け
空き家管理士2級 主に入所中のお客様の留守宅を管理する介護事業所や地元貢献を考える未経験者向け
試験:毎月1回
インターネットを使ったE-ラーニングで勉強をしたうえで試験を受ける
実務経験無し・年齢制限無し
申し込み方法:
受講申込書兼受験願書をダウンロードし記入をする
書類を添えて申し込む
受験をする (1級・2級とも制限時間60分)
後日、合否結果が届く(試験合格者には合格認定書も届きます。)
※入会・登録(登録料)必要
※1回の現地研修の受講が必要
※資格を取って空き家管理士協会に入会すると、空き家管理士と名乗って営業活動することが可能。協会名とロゴマークを名刺などで使うことができる。
※詳しくは下記の公式サイトをご覧ください。
無論、資格を取るかどうかは人それぞれです。資格がないと出来ない仕事ではありません。資格があったほうが仕事を得やすいであろう、ということです。
空き家管理の仕事の報酬とその価値

空き家管理の報酬に規定等はありませんが、厚労省が定める地域別最低賃金基準の日当+オプション(業務内容によってプラスα)レベルが一般的ですので、これだけで生活していくには、数をこなすこと=体力と時間が必要となります。
なので、”副業”または”有料のボランティア”と考えて活動するのが良いかと思います。
でも、地域に、近隣の人に、資する仕事・喜ばれる仕事ですし、それをキッカケに、他の仕事の口を紹介されたり、または新しい事業を起こしたり(起業したり)するなど、繋がりがりも出来るので、移住者におすすめの仕事=おすすめの資格です。
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なお、空き家管理には空き家管理士の他にも以下のような資格があります。
▪️空き家相談士(主管:一般社団法人全国空き家相談士協会)
▪️空家空地管理士(主管:NPO法人空家・空地管理センター)
空き家管理士含め紹介した上記の3つの資格は全て民間資格ですので、資格がなければ法的に空き地関係の仕事をしてはいけない、という訳ではありません。
いずれも受講することで得られる知識は仕事上では役に立つものでしょうけれど、試験自体は簡単。お金で得られる「肩書き」「権威付け」です。その受講料などは自己投資としては少々高いのですが、田舎の特に高齢者は肩書きに弱いので、資格はあったほうが良いのです。
空き家管理はこれから有望な地方移住者向けの仕事

今後も地方の空き家は増えますので、空き家管理の仕事も増えるのは確実。その証拠に、大手企業も含め「空き家管理業者」が全国で続々と誕生しています。競争激化必須のビジネスなのです。
でも大丈夫。「空き家管理」の仕事は、その地域に住んでいる移住者だからこそ信頼して任せられるので有利です。どこかの業者に頼むよりも同じ料金であれば間違いなく地元の人に頼みます。しっかり仕事をすればそれが評判となり、同じ地域の別の物件を紹介されることになるでしょう。同じように「空き家再生ビジネス」もその地域をよく知る移住者だからこそ信頼が得られるのです。
空き家管理と、空き家再生ビジネスは、地方移住者こそが優位な、今が狙い目、これから有望な仕事(ビジネス)です。
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