古民家を買って(または借りて)、全てをセルフでリノベーションする!というのはハードルが高いですが、部分的なリフォームに挑戦してみたい!と思っている人は少なくないのではないでしょうか?
もし部分的なリフォームに挑戦するのであれば、床〜フローリングのDIYをおすすめします。
理由は、作業的にも比較的簡単、何より危険度が少ないからです。
壁や天井は高所作業があり、脚立に登ったり、物件によっては足場が必要となったりと、不安定な環境下での作業になります。でも、床〜フローリング工事は立ったり座ったり、時には寝転んでの作業になるので安全なのです。
また、床材選びはとても大事です。
見た目的には勿論、歩き心地、座り心地、寝心地、つまり今後の住み心地に大きく影響するので、床材は妥協せずに選ぶべきなのですが、床面積に比例して工事費用が嵩みます。ゆえに、床〜フローリング工事を自分でやる(DIYする)ことで工事費を節約、その分、床材は妥協しない、というのはとても賢いやり方です。
古民家の床〜フローリングをリフォームする
古民家の床を改装(リフォーム・リノベーション)している動画を見つけましたので、先ずはこれを観て自分でやるイメージをしてみてください。
やれそうですか?やってみたいですか?
やってみたい!やる!という人は以下の記事で紹介している書籍で勉強することから始めてください。全く知識無しのノープランでやると必ず失敗し途中で挫折することになります。
大雑把で良いので一通り勉強しましょう。その後に前述の動画を見直すととても簡単に思えてきますし、他の箇所もやれる!やる!と、モノ作りにハマるきっかけになるかもしれません。古民家の改修は勿論、これからの田舎暮らしにおいて自分で色々作れるようになると楽しく充実した人生が送れますので、以下の記事で紹介している本から自分が読めそうな本を数冊選んで読んでください。
上記の記事内でも紹介している『自分でわが家を作る本』の著者のDVDもおすすめです。
広さ10坪(=33平方メートル、20畳分)の木造建物を、基礎から屋根まで一人で作っていく過程を図解を交えながら映像で詳細に解説したもので、とてもわかりやすく勉強になります。
>動画でわかる建物作りのDIY DVD3枚組
それら書籍またはDVDを参考にしながら、具体にプランを立て(図面を描き)、道具と材料を揃えて、いざDIYとなるわけですが、もちろん現場では参考書を見ながらの作業になります。
購入した本は現場でボロボロになるまで見ることになるので、電子書籍ではなく紙の本をおすすめします。
古民家のリフォームにおすすめの床材
さて、今後の暮らしの快適さを大きく左右することになる「床材」ですが、おすすめはズバリ「無垢材」です。
無垢材とは
引用元:コトバンク
合板や集成材ではなく、使用する形状で丸太から切り出した木材。割れやひびなどが入りやすいが、木本来の質感、風合いという面で魅力があり、化学物質を含まない自然素材としても注目されている。一番の特長として調湿作用があり、湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとするため、『縮む』『膨らむ』という性質がある。また、コンクリートの約2倍とも言われる優れた断熱性があり、周囲の温度に影響されにくいため夏は涼しく、冬は暖かい環境を生み出す。
とにかく古民家には「合板」は避けましょう。合板は安価で扱いやすい(工事しやすい・丈夫で狂いがない・汚れや傷がつきにくい)というメリットは多々あるのですが、せっかくの古民家の空間の雰囲気には合いません。
また、夏は涼しく、冬は暖かい無垢材は、夏、木に触れてもベタつくことなくさわやかで、冬はほんのりとした温もりを感じられることから、直に座っても寝ても快適。調湿作用に優れた無垢材は、古民家にありがちな結露やカビを防止してくれます。
さらには樹木の発する芳香成分(アロマ効果)により、ダニ、カビ、細菌類、そしてアレルギーや喘息の原因となるダニの増殖を抑え、リラックス効果もあります。
今、そんな無垢材の良さが再注目され、床だけでなく全部無垢材で建てる「無垢の家」が人気なのもわかる気がします。

無論、「無垢材」と言っても様々な種類があります。木の種類によって見た目や特徴が異なるので色々調べてみると面白いです。
2回の古民家リノベーションで様々な失敗も経験した私のオススメは「スギ」です。
一般的にスギ、パインなどの針葉樹は柔らかく、ヒノキ、オーク、ウォルナットなど、広葉樹は硬い木として知られています。
床材は硬くて丈夫なほうが良いのでは?と思いがち(専門家もすすめがち)ですが、土足でガシガ歩くのでなければ、柔らかな針葉樹の無垢材のほうが断然快適です。
見た目的には好みが分かれます。針葉樹系は明るくカジュアルな雰囲気になるし、広葉樹系は重厚でシックに仕上がります。でも柿渋や蜜蝋など自然塗装することで風合いを損なうことなく後加工できるし、傷を防止・修復する方法や程よくエイジングさせる方法もあるので、素足での歩き心地や肌触りを優先に針葉樹の無垢材を選ぶほうが快適な暮らしが送れるかと思います。
針葉樹の無垢材では「スギ」の他に「パイン(松)」も有名です。同じ針葉樹なので似ていますが、見た目的に若干異なります。そこはお好みですが、価格も含めて「スギ」のほうが入手しやすくバリエーションも豊富なのでオススメです。
特に、セルフリノベーション(DIY)で使用する場合は、材料は無駄にならぬよう加減しながら購入することになるので、途中で買い足すこともあり得ます。その際異なる材料になると見た目的に残念なことになるので、入手しやすさは大事です。
リフォーム用床材の購入先
「スギ」ですとホームセンターで購入可能です。ホームセンターで買えるメリットは買い足しやすいことと、実はホームセンターで販売している木材はどこで買うよりも安いことが多いのです。
ホームセンターの木材は安い時に大量に仕入れます。木材は大きな商品だし古くなると汚れたり傷んだりして売れなくなるので、出来るだけ早く売ってしまいたいのです。ホームセンターでは良い木材をセール価格で入手できるので要チェックです。
ネットでも無垢材を格安に買えるサイトがあるのでおすすめです。通販であれば運ぶ手間がかからないので便利です。
なお、セルフ(DIY)しない人はリフォーム・リノベーションを依頼する業者に「床は無垢のスギ材」とオーダーしてください。
古民家リノベーションにおいて「床」は大事です。リノベーション過程において「床」が出来るとすごく嬉しいし安心します。「床」の存在は大きいです。
出来上がってからのお楽しみ、というか、じわじわ実感すると思いますが、マンションなどで合板のフローリングを経験している方ほど、「無垢材」しかも「スギ」または「パイン」材のフローリングの快適さに感動することでしょう。