「床」をセルフリノベーション〜古民家/築古物件/ボロ小屋を快適なフローリングに

古民家を買って、または借りて、全てをセルフでリノベーションする!というのはハードルが高いですが、部分的でもリフォーム・リノベーションに挑戦してみたい!という方にオススメなのは、床や壁の塗装です。

これは、多少失敗しても住環境にほとんど影響を与えませんし、塗り直しなどによるやり直しも可能です。

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ただ、間取り変更がない、床組(構造材)に問題がないような場合は、床〜フローリングのDIYでの張り替えもオススメです。

目次

床の張り替えをDIYできるのかの判断基準は?

古民家や築年数の経過した家では、床の張り替えが必要になることは珍しくありません。

床を張り替えるということは、既存の床を一度はがすことになります。床下の老朽化、つまり下地や床組(構造材)の状態を確認することにもなるので、将来的な安心にも繋がります

古民家や築古の家では、基礎がコンクリートで覆われていません

そのため、地面からの湿気で、床の下地や床組(構造材)が腐食していることがあります。家の裏側に山があるような場合、雨の多い地域などでは、よくある話なのです。

私たちがセルフリノベーションしたボロ家も大変でした。想像以上にひどかったので、床組はほぼ交換しました。
床材剥がしたての頃↓

これは相当程度が悪いケースだと思うのですが、床組に傷みがある場合には、新しい木材に交換し、作り直す必要があります。

傾きがないよう調整する必要もあります。

判断基準はまさにコレ。

傾きの調整、床組の作り直しが必要なのか。自力でできる範囲なのか。

これが、できそうなレベルであれば、DIY/セルフリノベーションできるでしょう。

押し入れ・縁側・トイレなど小さなスペースの張り替えであれば、ここまで大変なことにはなりませんので、DIYできます。

傾きがある場合、あまりに床組の状態が悪い場合には、業者にお願いする方が間違いありません。

私たちは、セミプロ級のアクティブシニアの万全なサポートがあったので、チームでなんとか乗り越えられましたが、自力だったら即業者に発注したと思っています。

 ↓ ↓ ↓ 床組を作り直しました ↓ ↓ ↓

床の張り替えDIYを始める前に知っておくべきこと

床の張り替えの工程やイメージを動画で確認できます。↓(DIY MAGAZINE

作業イメージも掴めて、やってみる!という方は、まずは書籍でも軽く勉強しておくことを強くオススメします。

全く知識無しのノープランでやると、失敗し途中で挫折する、あるいは無駄に時間と体力と費用がかかることになりかねません。

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大雑把で良いので一通り勉強しましょう。

その後、YouTubeの他のチャンネルの動画なども見ておきましょう。

素人の方のチャレンジ番組よりも、工務店などの方が説明している方が、内容的には確かです。

必要な作業を現地でも確認し、具体的なプランを立て、道具や資材を揃えて、やっと本格的な作業が始まります。

現場でも、参考書を確認することとなりますので、電子書籍ではなく紙の本を用意しておくことを強くオススメします。

床を剥がさずに、床の上に床を作る方法もあります。作業もかなり楽になりますが、床の高さが変わります。ドアなどが閉まらなくなることもありますのでご注意ください。

古民家/築古床リフォームでの床材の考え方

床材選びはとても大事です。 

見た目的には勿論、歩き心地、座り心地、寝心地、つまり今後の住み心地に大きく影響します。

無垢材か合板(複合フローリング)か?

まずは、無垢材か合板フローリング(複合フローリング)か、という大きな選択があります。

おすすめはズバリ「無垢材」です。

無垢材とは
合板や集成材ではなく、使用する形状で丸太から切り出した木材。割れやひびなどが入りやすいが、木本来の質感、風合いという面で魅力があり、化学物質を含まない自然素材としても注目されている。一番の特長として調湿作用があり、湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとするため、『縮む』『膨らむ』という性質がある。また、コンクリートの約2倍とも言われる優れた断熱性があり、周囲の温度に影響されにくいため夏は涼しく、冬は暖かい環境を生み出す。

引用元:コトバンク

夏は涼しく、冬は暖かい無垢材は、夏、木に触れてもベタつくことなくさわやかで、冬はほんのりとした温もりを感じられることから、直に座っても寝ても快適。調湿作用に優れた無垢材は、古民家にありがちな結露やカビを防止してくれます。

さらには樹木の発する芳香成分(アロマ効果)により、ダニ、カビ、細菌類、そしてアレルギーや喘息の原因となるダニの増殖を抑え、リラックス効果もあります。

傷がつきやすかったり、多少の手入れが必要にはなりますが、それもまた無垢材ならではの楽しみであり、味わい深さです。

なお、昨今一般に「フローリング」と呼ばれているものは、「合板/複合」、木材を貼り合わせて作ったフローリング材です。複合フローリングとも呼ばれます。

合板/複合フローリングは、バリエーションが豊富・工事しやすい・丈夫で狂いがない・安定している・汚れや傷がつきにくい・手入れがしやすい、しかも安価というメリットは多々あります。

木ならではの風合いはありませんが、個人の好みや予算の問題でもあります。合板フローリングも進化していますので、価格帯によっては、無垢材と区別がつかないようなものもあります。

無垢材なら木材の種類は?

今、そんな無垢材の良さが再注目され、床だけでなく全部無垢材で建てる「無垢の家」が人気です。

無論、「無垢材」と言っても様々な種類があります。木の種類によって見た目や特徴が異なるので、色々調べてみると面白いです。

2回の古民家/ボロ家リノベーションで様々な失敗も経験した私のオススメは「スギです。

一般的にスギ、パインなどの針葉樹は柔らかく、ヒノキ、オーク、ウォルナットなど、広葉樹は硬い木として知られています。

床材は硬くて丈夫なほうが良いのでは?と思いがち、専門家にも勧められがちですが、土足でガシガシ歩くのでなければ、柔らかな針葉樹の無垢材のほうが断然快適です。

見た目的には好みが分かれます。針葉樹系は明るくカジュアルな雰囲気になるし、広葉樹系は重厚でシックに仕上がります。

柿渋や蜜蝋など自然塗装することで、風合いを損なうことなく後加工できますし、傷を防止・修復する方法や程よくエイジングさせる方法もあります。

素足での歩き心地や肌触りを優先に、針葉樹の無垢材を選ぶほうが、快適な暮らしが送れるかと思います。

下記画像は、過去にリノベーションした1室です。施工から数年経過しています。

  • ローカルのホームセンターで購入した杉の無垢材
  • 塗装なし、自家製蜜蝋ワックスのみの仕上げ
  • 手入れ:日常的な清掃、月に1〜2度の水拭き、年に1〜2回蜜蝋ワックスを塗り直し

素材の特性上、傷はつきやすいのですが、気になる程でもありません。夏は裸足でも快適、冬はほんのり温かく、底冷えするようなことはありませんでした。

針葉樹の無垢材では「スギ」の他に「パイン(松)」も有名です。

同じ針葉樹なので似ていますが、見た目的に若干異なります。そこはお好みですが、価格も含めて「スギ」のほうが入手しやすくバリエーションも豊富なのでオススメです。

特に、セルフリノベーション(DIY)で使用する場合は、材料は無駄にならぬよう加減しながら購入することになります。途中で買い足すこともあり得ます。その際異なる材料になると、見た目的に残念なことになるので、入手しやすさは大事です。

リフォーム用床材の購入先

「スギ」のフローリング材であれば、ホームセンターで購入可能です。

ホームセンターで買えるメリットは、買い足しやすいことと、実はホームセンターで販売している木材はどこで買うよりも安いことが多いのです。

ホームセンターの木材は安い時に大量に仕入れます。木材は大きな商品ですから、古くなると汚れたり傷んだりして売れなくなります。出来るだけ早く売ってしまいたいこともあるでしょうし、仕入れの都合なのか、ホームセンターでは良い木材をセール価格で入手しやすいのです。

・大量に使う場合には、予約や取り寄せが必要になります
・セール品は限られています

基本的には、自分で運びます。軽トラックを借りられることが多いです。
配送の場合には、配送料がそれなりにかかりますが、他の資材などとまとめて運んでもらえば、とても楽です。

施工に支障がないよう、時間的にも余裕をもって注文しておくことをオススメします

オンラインショップでも無垢材を格安に買えるサイトがあります。通販であれば運ぶ手間がかからないので便利です。

古民家や築年数の経過した家のリノベーションでは「床」は大事です。

リノベーション過程において「床」が出来るとすごく嬉しいし安心します。「床」の存在は大きいです。

出来上がってからのお楽しみ、というか、じわじわ実感すると思いますが、マンションなどで合板のフローリングを経験している方ほど、「無垢材」しかも「スギ」または「パイン」材のフローリングの快適さに感動することでしょう。

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この記事を書いた人

アラカン夫婦の備忘録

早期リタイヤして地方移住〜田舎暮らしをした経験と、その後の暮らしで学んだことや役立つことを、これからシニアになる全ての人たちに向けて発信しています。
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