古民家鑑定士ってどんな資格?難易度、需要、収入は?

地方移住先でのあらたな仕事/ビジネスに相応しそうな?資格「古民家鑑定士」について、簡単にまとめておきます。

目次

古民家鑑定士ってどんな資格?

古民家鑑定士とは?

古民家鑑定士とは、内閣府が認可した一般財団法人職業技能振興会により古民家の評価をすることを目的に創設された民間資格です。

築50年以上の日本の住宅で使われていた伝統構法と在来工法、そして伝統的な資材について学び、建築物の調査と再活用の提案、古民家で培われた日本の気候風土に合った持続可能な住環境と住文化を守り、活かし、伝えていく仕事、具体には「古民家再生総合調査報告書」に使用される古民家鑑定業務を担います。

UIJターンにより地方への移住定住やリモートワークによる田舎暮らしをする人の増加など、今そしてこれからの時代に必要とされる空き家・古民家についての専門家は、地方にこそ需要があるため、移住者におすすめの資格として注目されてます。

あわせて読みたい
地方で起業する人を支援する補助金・助成金とサポート制度、オススメと注意点 リモートワークの普及などもあり、注目されている地方移住。 メディアで取り上げられることも減ったようですが、地方の小さな市町村は超高齢化や人口激減予防策として、...
あわせて読みたい
【今が狙い目!?】空き家管理士の仕事内容とその報酬〜移住者・田舎暮らし・リタイア世代向き 地方に移住し田舎暮らしをしている方に、新しい仕事につながる可能性のある資格があります。リタイア世代にも向いています。 その仕事、ズバリ「空き家管理」です。 資...

古民家鑑定士 資格取得の難易度は?

古民家鑑定士の難易度は極めて易しく、試験は簡単

公式テキスト持ち込み可で、約7割以上正解で合格します。80%の方が2級以上認定それでも、20%は不合格のようですが、事前にテキストを読み込んでおけば、基本的に誰でも取得可能です。

古民家鑑定士は16,000名以上が全国で活躍しています。

受験/資格取得しているのは、住宅メーカーや工務店など建築関係や不動産関係の方が多いようです。

古民家鑑定が本業ということではなく、古民家鑑定士として鑑定した物件の改修・改装、または売買を請け負うことを目的に、古民家の”知識の習得“と”肩書き“として資格取得している言ってもよさそうです。

もちろん、単に古民家が好きな方、セルフやDIYでリフォームやリノベーションを考えている人など、まったく仕事とは関係なく興味本位で受験しようかと思っている方も少なからずいるとは思いますが、そういう人は受験しないでテキストだけ買えば良いでしょう。

公式テキストはこちら↓

公式テキストはとてもいい内容です。
高いけど、、、

古民家鑑定料金は?

基本的に、「古民家鑑定」では、地域の古民家再生協会を通して依頼された物件の鑑定を行います。

> 一般社団法人 全国古民家再生協会http://www.g-cpc.org/

古民家鑑定料金は、古民家再生協会により定められています。

古民家鑑定料金は?
古民家鑑定の料金は、全国統一価格で、1棟に対し100,000円(税別)
敷地内に複数の建築物があり、それぞれに鑑定が必要な場合には、1棟ごとに鑑定料がかかります。

鑑定料金は、依頼主から古民家再生協会に支払われます。
古民家鑑定士のギャラが10万なわけではありません。

古民家再生協会の手数料もありますし、複数人(基本は4名)なので、実際には一人あたり1件(1棟)15,000円程度のようです。

古民家鑑定士の需要とビジネス

今後は古民家鑑定の需要が増えるのは確実です。

古民家鑑定士の資格を活かし、ビジネスとするには、鑑定した物件の改修工事などを請け負う必要があります。

1棟10万もかけて鑑定するのですから、その報告書や提案をもとに改修したり、売却の準備をしたりするケースが多いのです。

ですから、「古民家鑑定士」として独立したビジネスというよりも、鑑定を足掛かりに本業へと繋げてこそ大きなビジネスとなるのです。

もちろん、趣味と実益を兼ねた仕事として鑑定のみを請け負うことも可能ですが、その場合には、ビジネスとして大きな収入はあまり期待せず、楽しむことを目的とする方がいいでしょう。

古民家鑑定士は、誰でも取得できる資格です。

古民家が少ない地域ではビジネスとして成り立ちませんし、古民家が多い地域であれば、すでに有資格者がそれなりにいてもおかしくありません。上述の通り、資格取得者はすでに16,000名を超えています

資格自体は簡単に取得できますが、個人ではその資格を活かせる機会は多くはないことをご理解の上、受験するかご検討ください。

以下、古民家鑑定士資格試験の概要を記しておきます。参考まで。

古民家鑑定士の資格取得方法

古民家鑑定士認定試験の受験資格

20歳以上であれば誰でも受験できます。

古民家鑑定士認定試験の試験内容

出題項目

総論(建築基準法・環境問題・古民家の基礎知識)
伝統構法
在来工法

いずれも、公式テキスト↓から出題。なお、テキストは持ち込み可。

公式外のテキストやノートは持ち込み不可

問題形式

  • 全60問のマークシート方式による二者択一
  • 公式テキスト内より出題
  • 総論20問・伝統構法20問・在来工法20問の構成。

試験時間

  • 50分

古民家鑑定士認定試験の合格基準

  • 総論・伝統構法・在来工法全ての科目に合格すると古民家鑑定士1級に認定
  • 総論科目と伝統構法科目に合格すると古民家鑑定士2級(伝統)に認定
  • 総論科目と在来工法科目に合格すると古民家鑑定士2級(在来)に認定
  • 総論科目が不合格の場合は不合格
総論伝統構法在来工法資格
合格合格合格古民家鑑定士1級
合格合格不合格古民家鑑定士2級 伝統
合格不合格合格古民家鑑定士2級 在来
不合格不合格

古民家鑑定士認定試験の実施日程

  • 毎月開催
  • 試験同会場にて試験前に受験対策講習も開催

申込期間・申込方法

  • 受講・受験日の1週間前まで
  • 古民家鑑定士サイトより受講・受験願書をダウンロードし、受験願書と受講・受験料払込の証明書を郵送

受験料

【受験・再受験(6ヶ月以内)】
 9,000円

【受講・受験】
・一般:受験料(9,000円)+講習費(14,000円) 合計23,000円
・再受験:受験料(9,000円)+講習費(11,000円) 合計20,000円

結果発表

  • 合否通知については、受験した翌月の10日以降に郵送にて通知
  • 合格者への認定証発送は、合否通知送付後1ケ月程度で別途郵送

資格の更新

  • 古民家鑑定士資格は3年ごとに更新が必要
  • 資格証更新講習を受講することで資格証の更新が可能

詳細及び問い合わせ先

一般財団法人 職業技能振興会https://www.kominkapro.org/

あわせて読みたい
【今が狙い目!?】空き家管理士の仕事内容とその報酬〜移住者・田舎暮らし・リタイア世代向き 地方に移住し田舎暮らしをしている方に、新しい仕事につながる可能性のある資格があります。リタイア世代にも向いています。 その仕事、ズバリ「空き家管理」です。 資...
あわせて読みたい
【空き家再生ビジネス】築古のボロ家をリノベーションする空き家不動産投資のススメ 長く放置され社会問題にもなっている地方の空き家。 状態の良くない物件は、「古民家」とは区分して、「築古物件」「ボロ家物件」などと呼ばれ、激安または無料で取引さ...
よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

アラカン夫婦の備忘録

早期リタイヤして地方移住〜田舎暮らしをした経験と、その後の暮らしで学んだことや役立つことを、これからシニアになる全ての人たちに向けて発信しています。
わたしたちの経験のうちの一つでも、誰かのお役に立てれば嬉しいです。

目次