納骨を自分でするのは可能?寺と石材店へ依頼は必要?墓地手続きは?

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仏事
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納骨を自分ですることは可能でしょうか。

納骨をお寺や石材店に依頼すると十万円前後かかります。
葬儀で結構お金がかかってしまったため、納骨は自分でできないかと考えることもありますよね。

・納骨を依頼せず自分でするのは可能か
・納骨の際に必要な墓地手続き

今回は、納骨に関する手続きをご紹介します。

納骨を自分でするのは可能なのか?

納骨は通常、寺院や石材店に頼むことが多いのですが、自分で納骨することも可能です

寺院や石材店に頼むのは、納骨する際には納骨供養を営み僧侶に読経していただいたり、石材店に墓誌に名入れしてもらう必要があるからです。その際には、寺院には3~5万円のお布施と石材店には5~8万円程度(墓石の開閉作業含む)の費用がかかります。

納骨をするために必要な手続きや手順は?

納骨する大まかな手順は次の通りです。

納骨の手順
  1. 事前連絡をする
  2. 埋葬許可証を墓地の管理者に提出する
  3. 納骨する

事前連絡をする

墓地には、寺院と公営霊園、民営霊園、共同墓地などがあります。いずれにしても納骨日が決まったら、墓地の管理者に納骨の日時を伝えましょう。管理事務所などの立ち合いが生じることもあるため、一般的には、事前手続きなしの当日の申請では納骨することができません。

寺院のお墓であれば寺院に、公営霊園や民営霊園であれば管理事務所に、共同墓地であれば管理委員会や役所・役場などに連絡します。その際に、当日、あるいは事前に提出の必要な書類、当日の準備物なども確認しましょう

納骨当日に必要なもの
  • 墓地の管理事務所用:埋葬許可証、お墓の使用許可証、印鑑、手数料 など
  • お墓用:お供えの花、線香、マッチ、ロウソク、数珠 など

埋葬許可証を墓地の管理者に提出する

墓地に納骨する際には、埋葬許可証を墓地の管理者に提出しなければなりません。「墓地、埋葬等に関する法律」第14条にて定められています。そのため、自分で納骨する場合、石材店などに依頼する場合のどちらにしても必要です。

埋葬許可証の発行は?

埋葬許可証は、火葬場で発行してもらえることが多いです。火葬場や地域によっては、役所や役場で発行してもらうこともあります。

寺院で納骨する場合

寺院の場合には、葬儀や法要を営む際に納骨をどうするか決めるのが一般的です。日程を決め、埋葬許可証を提出すればいいので、さほど手間はかかりません。手順なども、寺院と相談できます。

公営霊園、民営霊園、共同墓地などの場合

公営霊園等の場合には、墓地の管理事務所等に納骨の連絡をした際に、当日の流れも確認しましょう。

一般的には、墓地の管理事務所で埋葬許可証の提出やお墓の使用許可証の提示、その他必要な書類があれば、記入し押印、手数料の支払いなどを行います。

納骨する

自分納骨する場合

自分で納骨をする場合には、管理事務所と確認した手順通りに進めましょう。

管理事務所等の立ち合いがある場合には、前日や当日早めに行き、立ち合いの時間までにお墓を掃除しておきましょう。

管理事務所等の立ち合いがないのであれば、納骨前に掃除をしてもいいでしょう。

納骨室(カロート)に複数の骨壺がある場合、古いものを奥へ移動して、今回納める骨壺を手前に置きます。納骨後は、納骨スペースをきちんと元の状態に戻し、お参りします。

納骨式を行う場合

納骨式の一般的な流れは以下の通りです。家族だけで行う場合には施主の挨拶は不要です。

  1. 施主の挨拶
  2. 新しくお墓を建てた場合には読経(開眼供養)
  3. 納骨
  4. お坊さんの読経
  5. 遺族の焼香
  6. 施主の挨拶

納骨をお寺や石材店に依頼すべきケースとは?

必要な手続きを踏めば、自分で納骨することができますが、難しいケースもあります。

石材店に依頼した方がいいケース
  • 新しくお墓を建てる場合
  • 既にお墓があっても、管理者が寺院の場合
  • 墓誌などの名入れが必要な場合
  • お墓の開閉が自分では難しい場合

新しくお墓を建てる場合

新しくお墓を建てる場合には、僧侶に開眼供養をしてもらう必要があります。そのため、寺院を通さないのは現実的には難しいでしょう。

お墓を建てただけでは魂が入ったとはいえず、開眼供養を営むことで、故人の魂の拠り所となるお墓になるのです。その開眼供養を行うには、僧侶に読経していただく必要があります。

開眼供養とは?

開眼供養(かいげんくよう)、あるいは 入魂式、魂入れといった供養を行うことで、お墓はお墓として、仏壇は仏壇として、位牌は位牌として故人の魂の拠り所となります。開眼供養をしなければ、お墓はただの石であり、仏壇はただの棚であり、位牌はただの板、、、というように仏教では考えます。

これは、仏像を作る際に、死後に眼を描き込むことで仏像に魂が入り完成すると考えたことに由来し、お墓や仏壇、位牌を新たに購入した際に執り行われるようになりました。

※ 石材店ではお墓を購入していますので、最初の納骨費用はサービスだったり、格安で対応していただけることもあります。

既にお墓があっても、管理者が寺院の場合

既にお墓がある場合でも、お墓の管理者が寺院であれば、寺院に埋葬許可証を提出することになります。そのため、寺院に納骨法要を依頼せず、自分たちで納骨するのは現実的に難しいと言えます。

また、寺院によってはその墓地で工事ができる業者「指定石材店」があることも多いです。指定石材店がある場合には、原則として自分での納骨ができません

市営などの公営霊園や共同墓地の場合には、指定石材店はないでしょう。民営霊園の場合には、ほぼ指定石材店があると思ってもよさそうです。手続き上の問題がなくても、菩提寺との今後の関係にも関わりますので、よく考えて判断しましょう。

墓誌などの名入れが必要な場合

納骨の際、故人の戒名や没年月日等を墓石や墓誌に名入れします。彫刻するタイプの場合は、自分で彫ることができないため、石材店に依頼することになります。

墓誌とは?

墓誌(ぼし)とは、埋葬されている先祖の戒名や没年月日などが彫刻されている石板のことです。一般的には、お墓の右側か左側に建てられます。

絶対に必要なものではありませんので、宗派や敷地の広さ、家の考え方によってはない場合もありますし、故人の遺志等で名入れしなくても問題ありません。

新しいお墓を建てる場合には、開眼供養が必要ですが、墓誌の名入れには開眼供養は必要ありません。納骨だけし、墓誌に名入れしないのであれば、自分で納骨することも可能です。

お墓の開閉が自分では難しい場合

納骨スペースの開閉は、一般的にかなりの力を要します。また、墓石は欠けたり割れたりしやすいので、扱いに注意も必要です。動かす時、置く時などに、ぶつけたり、勢いよく置いたりしないよう、慎重に扱う必要があるのです。

他にも、納骨スペースがどうなっているのかを、事前に確認しておく必要もあります。

・納骨室(カロート)がどこにあるか(お墓の下か、線香を建てる石のところか等)
・納骨室がお墓の下の場合、拝石(石蓋)の周りがコーキングされていないか
・納骨方法(骨壺のまま納骨するのか、晒しの袋に移し替えるか、骨だけ入れるのか等)

納骨スペースの仕様は、だいたい決まっていますが、家のお墓がどれなのかは自分で確認しなければなりません。

コーキングされている場合には、納骨前にコーキングを取り除き、納骨後に再度コーキングする必要があります。必要な道具も自分で持参する必要があります。

簡単な仕様になっていても、重たかったり、開けにくいこともあります。くれぐれも墓石を傷つけないよう、また自分もケガをしないよう気をつけましょう。

納骨スペースの開閉に問題がなければ、自分で納骨できますが、難しい場合には石材店にお願いする方が間違いなさそうです。

納骨は自分ですることもできますが、新しくお墓を建てる場合、墓誌に名入れする場合、指定石材店がある場合には、実際には難しいです。

公営霊園や共同墓地であれば、指定石材店もないでしょうし、寺院とも関わりなく納骨できるでしょう。ただ、納骨室を開ける石蓋(拝石)によっては開けづらい可能性もあるため、まずは自分でできそうかをお墓で確認してから考えてみてくださいね。

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