「礼節」「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

今更聞けない事典
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「礼節」とは、状況や相手にあった礼儀をほどよく示す行動や作法の意味。

  • 敬意や慎みの心をもって相手に接することが「礼儀」
  • ほどほどの、度を越さない、適当なほどあい、を意味する「節度」

つまり、ただ格式ばった形だけの礼儀だけを一方的に相手に押し付けるのではなく、相手のことを考え、相手に失礼に当たらない、また相手が心地よく思う礼儀を示すことを「礼節」という。

今、礼節に問題がある。

礼節は年々悪化している。

人生の半分、50代にいる我々は、礼節に問題があることの加害者にもなり得るし被害者にもなり得るから気をつけたい。

職場など組織や集団、SNSなどコミュニティにおいてその傾向は顕著である。

上司が一人の部下(または部下が上司を)をみんなの前でいじる。バカにする。過小評価する。そして失敗は全て部下(上司)のせいにする。

こういった相手の尊厳を傷つけたり配慮に欠いた言動が至る所で行われている。

人類はテクノロジーによって凄まじい進歩を遂げたように思えるが、そういった行為に関しては変わらない。むしろ悪化している。

その原因は、グローバリゼーションによる文化の違い、世代間での価値観のずれ、テクノロジーの進歩による対人コミュニケーション能力の進化(退化)、などなど、それらによって人間関係が悪化し、礼節も低下、礼節の低下が更なる人間関係の悪化を促進させるといった負のスパイラルに陥っている。

無礼な態度がもたらす5つの悲劇

  1. 人の健康を害する(相手の死亡リスクを高める)
  2. 経済的損失をもたらす
  3. 人の思考力や集中力を下げる
  4. 人能力を下げる
  5. 人を攻撃的にさせる

それらは科学的に証明されている。

  • 職場での人間関係が良好な場合とそうでない場合とでは、中年の死亡リスクが2.4倍違う。
  • 日々仕事でストレスを感じている人はそうでない人と比べて医療コストが46%高くなる。
  • 職場で誰かから無礼な態度を取られた従業員のうち約半数が、意図的に労働力、労働時間、仕事のクオリティを下げていることも判っている。

仕事のストレスが原因で働けなくなったら労働力が減る、病院に通わないと行けなくなったら労働時間が減る、自分にとっても会社にとっても国にとっても誰も得しない。

礼節の三原則

其の1「笑顔」 
其の2「相手を尊重する」 
其の3「人の話に耳を傾ける」 

子供は平均1日400回笑う。大人は1日20回程度。笑顔は長寿と関係があることも判っている。自分が笑顔であることは勿論笑顔をたくさん見ることでも寿命が延びる。

相手を尊重するもっとも簡単な行動・行為は、「3mで目を合わせ1.5mで挨拶する」こと。その作法を習慣化すれば良い。

人と話す場合、聞く体制になることが肝心。人の話を遮らない。言いたくなっても堪える。話すと聞くの割合は1:2がベター。

無礼な人への対処法

相手の無礼を正すことは無意味であり、無理。

無礼な相手のために心を乱され相手のために時間を使う必要は無い。

相手を変えるのではなく、その無礼を自分の成長の糧にするよう心掛ける。

無礼を許すのではない。無礼を自分のために利用するのだ。

どんな無礼や逆境に直面しても成長のチャンスと解釈する。自分の都合よく解釈し、前向きに考え自分の成長の糧にする。

どんな時でも着実に前に進んでいる、この実感をもてるかどうか、成功を自覚することこそが最大の防御法である。


【参考書籍】

Think Civility|「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である|クリスティーン・ポラス 

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