マンション暮らしでは味わえない庭付き一戸建ての魅力の一つは、自分の好きな木を庭に植えられることです。
自分が植え、自分で育てた庭の木で、四季を感じること、そして木の成長を目の当たりに出来ることは、庭付き一戸建てのメリットです。
花の咲く木、実のなる木、紅葉が美しい木、樹形がきれいな木、等など、選択肢が沢山あるので、アレもコレも、と勢いで安易に植えると、育たないどころか枯れてしまうケースも多々あります。当たり前ですが、その地の気候や土壌に合わないと生きれないのです。
せっかく植えた木が枯れるはとても悲しい光景です。
以下、失敗しない為の庭木~シンボルツリーや記念樹の選び方と植え方・育て方についてのアドバイスです。
シンボルツリー(記念樹)の選び方・育て方
暮らしの拠点となる住まい、選んだその土地には既に何らかの木が植わっているかもしれませんが、毎年もしくは何か節目の年に新しい木~シンボルツリー(記念樹)を植えましょう。
一本でもかまいません。何本か並べて並木にするものおすすめです。
シンボルツリー(記念樹)ですから、この地で一緒に成長していくことが目的です。最初から大きくて立派な木を植えるのではなく、苗木から育てましょう。
シンボルツリー(記念樹)の植える時期
記念樹であればその記念すべき日に合わせて植えたいところですが、ちょっと待ってください。
植える時期(植え替える時期)を間違うと一発で枯れてしまうので要注意です。
木を植える時期(植え替える時期)は種類によって若干異なりますが、基本は真冬や真夏は避け、春または秋の暖かい日に植えるのが良いです。
おすすめできないタイミングは以下の通りです。
- 超暑い日
- 超寒い日
- 乾燥している時
- 朝晩の気温が氷点下になる時期
- 霜が降りる時期
- つぼみや花をつけている時期
もっとも、植えてはダメな時期に苗木を売るような店は無いかとは思いますが、一応頭に入れておいてください。
シンボルツリー(記念樹)の選び方
木は、常緑樹と落葉樹、大きく2つに分類されます。
それぞれの特徴を把握して、どんな木を植えるか?どこに植えるか?をイメージして選びましょう。
常緑樹
常緑樹は、文字通り1年間ほぼ緑色の葉をつけている木のことで、常緑広葉樹と常緑針葉樹の2つに分類されます。
常緑広葉樹は、カシやシイなどのように広くて光沢のある葉を持ち、もともとは熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツ。寒さが苦手です。
常緑針葉樹は、松やコニファーなどのように小さくて細い葉を持ち、主に冷温帯~亜寒帯などの寒い地域に自生することが多い樹木です。
シンボルツリー(記念樹)に人気の常緑樹
【シラカシ】
シラカシはブナ科コナラ属の常緑高木。樹高は15mにも達します。暑さ寒さに強いので公園にもよく植栽されています。秋にはドングリを実らせます。
葉を密に茂らせるので、生け垣としても人気です。生育スピードが速いので、初夏と秋の年に2回、しっかりと剪定をして樹形をコントロールすることが必要です。
【コニファー】
コニファーは針葉樹の総称。樹高が高くなる種類もあれば、這うようにして広がる種類があります。また、葉の色もシルバーグリーンやイエローグリーン、ブルーグリーンなど様々あるので、庭の雰囲気に合わせて選べます。
暑さと但し、種類によって寒さに弱い種類もあるので単に見た目で選ぶと失敗します。自然に樹形が整いやすいので、生垣や目隠しに適しています。
【キンモクセイ】
秋の風物詩としてお馴染みのキンモクセイ(金木犀)も常緑樹です。オレンジ色の小花をたっぷりと咲かせ、鮮烈なその香りは芳香剤として活用されています。
自然にまとまりやすい樹形ですが、自然樹高は6mにも達するので、ある程度の高さになったら毎年剪定をして、樹高をコントロールする必要があります。
【シマトネリコ】
シマトネリコは、近年特に人気の常緑樹です。モクセイ科トネリコ属の常緑高木で、緑の葉がサラサラと風に揺れる姿が美しく、シンボルツリーとして玄関先によく植えられています。寒さに弱いので寒冷地には不向きです。
生育スピードが速く、自然樹高では10mにも達します。剪定を怠ると幹が太くなって、最初のスマートな姿とはほど遠い印象になってしまうので要注意です。
【ゲッケイジュ】
ゲッケイジュ(月桂樹)、別名ローリエは、葉に爽やかな芳香があるためハーブとしても利用されています。自然樹高は15mに達する丈夫な木ですが、寒さには弱いです。
好みの大きさに育ったら、適宜剪定をして樹形を整えサイズをキープします。込み合いすぎている部分があれば、適宜間引き剪定をして、風通しよくする必要があります。
【レモン】
レモンは、ミカン科のミカン属でインドヒマラヤ地方が原産地。樹高は3m程度なので庭木としては勿論、鉢植えでも人気です。
栽培もしやすく実がなるのが楽しみな常緑樹です。鉢植えのほうが実がなりやすいです。種類も様々ありますが基本的に寒さに弱いので寒冷地には不向きです。
落葉樹
落葉樹は、その名の通り、秋が深まると葉を枯らし全ての葉を落とす木のことです。勿論枯れている訳ではなく春には芽吹き新しい葉を茂らせます。
新緑・開花・結実・紅葉と四季によってその姿が変化し、庭に表情を与えてくれるので、シンボルツリーとしておすすめです。
シンボルツリー(記念樹)に人気の落葉樹
【ハナミズキ】
ハナミズキは、ミズキ科ミズキ属の落葉高木。春に可憐な花を咲かせる人気の花木ですが、夏の乾燥が苦手で日本南部の地域では生育はむずかしいと言われています。
自然樹高で8mにも達しますが、成長速度は遅めなので管理しやすい樹木です。毎年の剪定によって樹高をコントロールします。
【ジューンベリー】
ジューンベリーは、バラ科ザイフリボク属の落葉高木です。原産地は北アメリカ。寒さ、暑さに強く、初心者でも育てやすい樹木です。
4月頃から新芽を出し始め、4月下旬〜5月下旬に小さく白い花が満開となり、6月には赤い実をつけ、生食やジャムに利用できることから、近年人気の庭木です。
自然樹高は5mほどになりますが、比較的自然に樹形が整うので、不要な枝の剪定程度で大丈夫です。
【アオダモ】
アオダモとは、落葉性トネリコ属の広義の呼称。原産地は日本です。自然樹高で10〜15mにもなりますが、薄くて繊細な葉がそよ風に揺れる様子は軽やかで、夏の日差しを和らげる緑陰が魅力です。
日本に古くから自生してきた樹木のため、手をかけなくても旺盛に育ちます。剪定によって樹高を抑えながら育てます
【ライラック】
ライラックは、モクセイ科ハシドイ属の落葉高木です。原産地はヨーロッパ南東部。寒さには強いものの、暑さにはやや弱い傾向があります。
自然樹高は6mに及びますが、成長速度は遅いほうで、管理しやすい樹木です。剪定によってコントロールし、3m程度の樹高でキープするとよいでしょう。
3月頃から新芽を出し始め4〜5月に開花。花色にはピンク、白、紫、青紫があり、枝先に穂状の花を多数つける姿は豪華で、開花期も長いので花木として人気です。
【ハクモクレン】
ハクモクレンは、葉が芽吹く前、3月頃に花が咲き、春の訪れを告げる花木として広く愛されているモクレン科モクレン属の落葉高木です。原産地は中国南西部です。
日当たりのよい場所であればよく育ち、強健で、それほどメンテナンスの手間もかかりません。ただし、根が粗くて細根が少なく、成木になってからの移植は難しいため、植え場所を決める時には吟味が必要です。
自然樹高は5〜15mになりますが、剪定によって低めの樹高にコントロールできます。
【サルスベリ】
サルスベリは、ミソハギ科のサルスベリ属。中国が原産地の落葉樹です。自然樹高は6~7mになり樹皮がなくツルツルしてサルも登れないことからサルスベリと称されています。
漢字では「百日紅」と表すように、初夏から秋までの長い期間、鮮やかな紅色の花を咲かせます。ピンク、白などの花色の種類もあります。
暑さ・寒さに強く、樹形もきれいなのでシンボルツリーとしておすすめの樹木です。
【イロハモミジ】
イロハモミは、ジムクロジ科カエデ属の落葉高木で、原産地は日本をはじめ東アジアに広く自生している樹木です。3月頃から新芽を出して、4月中旬〜5月上旬にごく小さな花が咲きます。その後旺盛に葉を茂らせ11月頃から紅葉を楽しめます。
強健で手をかけなくてもよく育つので、おすすめの樹木です。自然樹高は5〜10mになりますが、剪定することで樹高は調整可能です。
【サクラ】
サクラ(桜)は北半球の温帯地域に広く生息する、バラ科のスモモ属の落葉樹。春のお花見でお馴染みの日本を代表する花木です。
丈夫で成長も早く記念樹として一番人気です。枝垂桜、八重桜など、色々種類があるのでお好みで選べますが、かなり広めに配置して育てる必要となります。
シンボルツリー(記念樹)選びに失敗しない為に
シンボルツリー(記念樹)を選ぶ際は、真っ先に、庭の環境、特に気候的に合うかどうかを、必ずチェックしてください。
ちなみに、常緑広葉樹はもともと、熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツのものが多いので寒さが苦手ですが、日本で古くから植えられているツバキやサザンカ、ツゲ、ツツジ、キンモクセイなどは、寒さにも強く丈夫なのでおすすめです。
一方、常緑針葉樹は暑さに弱く寒さに強いイメージがありますが、コニファーなどには寒さに弱い種類もありますので必ず事前に確認してください。
また、庭木を選ぶ際には、十分にスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。
上記のとおり、かなり大きく育ちます。購入した時には、か弱く小さい苗木でも、環境に適応してしっかり根を下ろした後は、生育スピードが一気に速くなり、ぐんぐん枝葉を伸ばしていきます。
シンボルツリーとするなら樹高の想定はもちろん、樹冠(樹木の枝が四方に伸びる範囲)も想定しておくことも必要です。
建物や電線などに当たって邪魔にならないか、どれだけの周囲のスペースを確保できるかを確認しておきましょう。
樹木は自由に枝を伸ばします。それは予測不可能ですが、剪定を正しくすることで樹高や樹冠など樹形はコントロールすることができます。
シンボルツリー(記念樹)の剪定方法
庭に樹木を植えたら剪定は必ず必要です。
放任すると思わぬ方向に枝を伸ばし、気がついたら手がつけらないことになります。特に高さには注意です。高くなりすぎると高所作業が必要となり自分の手には負えなくなります。
そうなった時は専門家にヘルプするしかないですね、。
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毎年剪定をして美しい樹形を保つことが、庭を美しく保つことにもつながります。
庭木の剪定にはそれぞれに適した時期がありますが、しっかり根付いた木は基本的に丈夫なので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
春先や梅雨前の時期、そして秋、9月頃、樹形バランスや葉の茂り具合を見てガッツリ剪定しましょう。大きな枝を切り落とす際は、成長が止まる(活動が休まる)冬が良いでしょう。
無論、美しく整えたいならプロに頼みましょう。
また、時間ない時も無理せずにプロに頼みましょう。年に1~2回、プロにしっかり剪定してもらうと見違えるようになるので満足度は極めて高いです。
以下はプロの庭師を派遣してくれるサイトです。料金は派遣場所や木の種類、庭の規模で異なります。見積無料(見積後のキャンセルOK)ですので、相談してみてください。
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シンボルツリー(記念樹)の購入先
庭木~シンボルツリー(記念樹)はいろいろ相談できるお店で購入しましょう。今後種類を増やしたり長い付き合いになるで一店舗に絞って購入するのが良いと思います。
以下は私がお世話になっている苗木屋です。扱っている種類が豊富なのとサイズも選べてリーズナブルです。
最初のころは失敗(枯らして)ばかりいましたが、いろいろ親切にアドバイスしてもらいました。苗木も補償付きなので枯れたら代替品を送ってもらえます。
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