「おとり物件」とは、とても魅力的な条件で告知しているにも関わらず、実際に契約することができない物件を言います。
不動産業者が店舗へ来店させる目的です。
来店させ「先ほどこの部屋は契約が入ってしまいました、」と言って、違う部屋をすすめるのです。
既に契約が決まってしまっている物件や募集期間が終わっている物件、また、悪質な業者だと、築年数や部屋の面積をごまかしたり、ありもしない図面や写真を用いて、ネットや雑誌、広告等に掲載しているケースもあります。
以下、「おとり物件」に引っかからないようにするための見分け方やおとり物件に騙されない方法、良心的な不動産業者の見分け方について解説します。
おとり物件の特徴
おとり物件を見破るために、どのような物件がおとり物件の可能性が高いのかという特徴を整理します。
分かりやすい好条件
周囲の同じような条件の物件よりも、明らかに「家賃が安い」、「敷金や礼金がゼロ」など、根拠がないにもかかわらず、分かりやすく好条件の物件は、おとり物件の可能性があります。
住所が表記されていない
住所が○○区などまでしか表記されておらず、丁や番地が記載されていない場合は、おとり物件の可能性があります。住所から物件情報を調べらるかもしれないため、伏せている場合もあるのです。
現地待ち合わせで内見ができない
雑誌やインターネットで見つけた物件を内覧したい時、不動産会社に「直接現地に行くので、現地で待ち合わせをお願いします。」と言ってみるのがおすすめです。
不動産屋から、ひとまず来店してください、など、頑ななまでに断られたら、おとり物件かもしれません。
「仲介先物」には要注意
不動産の取引では、物件の情報には取引形態を開示することが義務となっています。
取引形態とは、その物件を掲載している不動産会社と大家さんとの関係性を表記するものです。
取引形態には、「貸主(大家さん本人)」「代理(大家さんの代理人)」「仲介元付(大家さんから、直接物件情報の掲載を任されている人)」「仲介先物(仲介元付に物件情報の掲載を任されている人)」の4種類があります。
その中で、「仲介先物」は、大家さんと直接かかわりがないので、たとえ募集が終わっている物件であっても継続的に掲載していてもバレにくいのです。
なので、「仲介先物」の取引形態がおとり物件として利用されているケースが多いので要注意です。
おとり物件を見破る方法
インターネットで検索で見破る
まず、不動産情報のポータルサイト等を利用して、気になる物件を調べてみましょう。
すると、その物件を取り扱っている不動産業者がいくつも出てきます。
家賃や条件が、それぞれ同じかどうかを比較してみましょう。
同じ物件にもかかわらず、他の情報と異なる条件で出している物件はおとり物件です。
また、物件情報の掲載期間にも注目してください。
物件情報の掲載期間が終了しているにもかかわらず、そのまま載せ続けているのなら、おとり物件の可能性が高いです。※単に更新をしていないケースも多々ありますが、。
現地集合で内覧可能かどうかで見破る
前述しましたが、物件の内覧をする際に、現地集合を断る物件は怪しいです。
電話で質問して見破る
実際に取引できない物件については、質問されてもその不動産業者では明確に答えることが出来ません。
メールだと、事前に用意されたテンプレートがあるのでいくらでも嘘がつけますが、電話でいきなり聞かれたことに対して即答できない場合は怪しいです。
一社しか掲載していない物件は疑わしい
通常、貸主である物件の大家さんは、早く借主を見つけたいために、いくつかの不動産会社に物件の広告掲載を依頼します。
反対に、その物件の情報を掲載している不動産会社が1社の場合は、架空の物件か成約済みの可能性が高いです。
良心的な不動産屋を見分けるには
物件情報が定期的に更新されている。
いつ行っても、同じ物件情報がガラスに貼りっぱなしといった不動産会社は要注意です。
WEBサイトも同様です。頻繁に更新されていないような不動産業者はNG。
そんな不動産屋は、大概、好条件の物件を掲示したままの場合が多く、おとり広告と同罪です。
こまめに物件情報を更新している会社は、営業意識、顧客対応に対する意識が高いと言えるでしょう。
不動産免許番号をチェック
会社の信頼度の調べ方として、店頭や広告に掲示している「宅地建物取引業免許証」を確認するという方法もあります。
この免許証には、「国土交通大臣免許」「都道府県知事免許」の2種類があります。
国土交通大臣免許であれば、その不動産会社が他に支店を持っている事を意味し、都道府県知事免許なら、その都道府県でのみ営業しているということを意味します。
「宅地建物取引業 東京都知事(●)第○○○○号」の記載の、●の部分の数字は、宅建免許を取得してから5年ごとの更新をしている回数を表しています。
●の数字が大きければ大きいほど、社歴が長い会社であるということです。
社歴が長いからと言って良い会社とは限りませんが、それだけ続けられてきたことは信頼されてきた証とも言えるでしょう。
おとり物件には騙されない!
賃貸物件の「おとり広告」は法律違反です。
発覚した場合、営業停止にまで追い込まれるケースもありますが、おとり物件を告知することは、不動産業者の常套手段。規制があるにもかかわらす、おとり物件ははびこっています。
不動産業者は現在、インターネットの台頭で地域性やテリトリーが無くなり競争が激化。限られた客数を沢山の業者で奪い合うことになっています。
そのため、おとり物件を掲載して来店を促し、あとは巧みな話術によって、何らかの物件を契約させるように仕向けるという、この手法がなかなかなくならないのです。
【家の購入時にも気を付けて!】
新築物件のおとりの実態についてはこちらをお読みください。
また、おとり物件の立証が難しいことも、おとり物件がなくならない原因です。
「この部屋は、つい先ほど契約が決まりました」と言われても、本当につい先決まったものなのかは、確かめようがありませんし、「データの更新に時間がかかるので」と言い逃れをされてしまえば、それ以上は何も言えません。
残念ながら、おとり物件を出している不動産業者は会社規模の大小にかかわらず現在も存在しています。
自己防衛するしかありません。
この記事が騙されないためのお役に立てれば幸いです。